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「競輪雑記1」
ごくごく少人数ではあるのだが、もっと競輪の話を書いてくれというメールが時たま来る。
昨年はW杯にかまけて競輪をさぼり気味だったので書くことはあまりなかったのだが、日本でも有数のマイナースポーツ、マイナーギャンブルである競輪だ。読みたいという人がいるのであれば、気が向いたときに書いていこうと思う。このコーナーは、だからつまり、競輪に興味のない人は読んでも無駄だ。
さて、昨年のGPだ。十二月の半ばだろうか、一昨年までお世話になっていたラジオ短波の某氏からメールが来た。
「一度流れたGPの記者会見ですが、26日にやることになりました。つきましてはファン代表ということで、馳さん、出席してくれませんか」
競輪ファンなら知っていることだが、今年のGP、施行者と選手会が翌年度からの賞金のことで揉めて、普段の年なら十二月の頭にあるはずの記者会見が、一度は流れていた。で、急遽行うことになったらしいのだが、時間がなく、段取りをうまくやるのが難しいということで、選手会側がラジオ短波に泣きついた結果、わたしにお呼びがかかったわけだ。
ラジオ短波は偉いのう。これまで、何十年にも渡って競輪放送やってきたのに、金がないからという理由だけで、日自振から首切られたというのに。
まあ、それはそれ、選手の思惑も知りたいし、会場も自宅から近いしということで、わたしは出席の依頼を引き受けたのだった。
知っちゃいたのだが、それでも会場について、GP出場選手を紹介するパンフレットもらって、わたし、落胆した。
選手には悪いが、とてもじゃないがGPの面子とは思えないんだもの。なんだよこれ、記念の決勝戦かよ、てなもんである。
GPポイントだとか馬鹿なことをするからこうなるという典型だ。競輪関係者は一人残らず岸和田の全日本で神山が優勝、最悪でもGPポイント稼いでくれることを祈ってただろうなあ。神山いない、吉岡いない、去年の目玉だった伏見はどうにもならん。だれがこんなGPを予想したというのか。
「出場選手に関して、世間ではいろいろいわれているが、そんな声を吹き飛ばすような熱いレースを見せてください」
わたしは記者会見では大人になって、そういった。文句いったって、面子は変わらないものなぁ。そうこうしている間にも、関係者にいろいろ話を聞いて、たぶん、来シーズンはシステムをまた変えるんだろうということは予想がついた。スターがいなけりゃ、客はあつまらん。日自振もそのことは嫌になるほどわかっている。
わたしはGPはここ数年、立川の来賓席のようなところに招いてもらって見ているのだが、年々、来る人の数が減っている。昔はそれこそ足の踏み場もないほどで、大人げないわたしは「GPの時にしか競輪にこねえやつが偉そうにしてんじゃねえぞ」と憤っていたのだが、今ではそんなこともない。みんな、和気あいあいと車券を買っている。競輪は没落の一途をたどっているのだ。
競輪は遠くない将来、滅びる。わたしはそう思っている。オリンピックだ、カタカナのケイリンだ、コマーシャルで女子供を集めるのだというようなことに狂奔している日自振は、競輪の本質をなにもわかっていない。ファンが競輪になにを求めているのかがわかっていない。だからわけのわからないルール改悪を行い、競輪を競輪ではないものに変えていってしまった。挙げ句、どんどんどんどん売り上げが減り、気づいたときにはすべてを革新する体力さえ残っていない−−それが今の競輪界だ。
滅びていくものと付き合うのも悪くはない。だから、わたしは今でも競輪場に行く。
GPだけれども、わたしは小野−池尻を本線に押した。小野が中団を取るのは間違いはない。是が非でも史上最高額の賞金王になりたい山田は仕掛けが遅くなる。ならば、小野の先捲りで決まりだろう。ここ数年、GPはラインで決まることなどほとんどなかったが、この面子ならば、わけのわからないことをする選手もいない。村上の尻は松本と小橋の競りだし。
オッズは30数倍。これでおれは大金持ちだ、うひひひ、とほくそ笑んでは見たものの、そこはそれ、何度も痛い目を見てきたわたしだ。押さえに、山田−山口の車券も買った。
結果は……大金持ちにはなれなかったが、損もしなかった。まあ、人生なんてそういうもんである。小野−池尻が来てたら、配当は八百万以上のはずだったのだが……。
GPの売り上げは80億ぐらいだったらしい。一時は百数十億売り上げてたというのに。神山がいれば、もう二十億は増えたのだろうか? わたしにはよくわからない。わかるのは、神山がいれば、レースはもっと難しくなっていただろうなということだけだ。
東王座、西王座、競輪祭はスケジュールの都合がつかず欠席(電話投票はするだろうけど)。次のわたしの戦いの場はダービーかな。
結局、次のGPは獲得賞金額の上位に戻るそうな。ほんとに日自振ってお馬鹿さんだわ。
(2003年1月20日掲載)
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